EDTとは?EDPとの違いと持続時間|”濃度が高い=長持ち”は必ずしも正しくない

香水の基礎知識

香水を買おうとすると、同じブランドの同じ香りなのに「オードトワレ」と「オードパルファン」の2種類が並んでいることがあります。

「どっちを買えばいいの?」 「値段が高い方が良いってこと?」

香水デビューする人がほぼ全員つまずくポイントです。

一般的な解説記事を読むと「オードパルファンの方が濃度が高く、香りが強くて長持ちする」と書かれています。これは間違いではありません。ただ、実際に何本も使ってきた立場から言うと、この説明だけを信じて選ぶと期待外れになることがあります。

この記事では、まず基本の分類を整理したうえで、実際に使って分かった「表記通りにいかない部分」まで正直に書きます。

まず基本:香水は賦香率で4種類に分けられる

香水の種類は、アルコールなどに溶かした**香料の濃度(賦香率)**で分類されています。濃度が高いほど香りが強く、価格も上がるのが基本です。

種類一般的な賦香率一般的な持続時間の目安
パルファン(P/Extrait)約15〜30%5〜12時間程度
オードパルファン(EDP)約10〜15%5〜7時間程度
オードトワレ(EDT)約5〜10%3〜5時間程度
オーデコロン(EDC)約2〜5%1〜2時間程度

日常で目にするのは、ほとんどが真ん中のEDPとEDTです。パルファンは価格も濃度も別格で、オーデコロンは軽すぎて香水として使うには物足りない場面が多いです。

表記ゆれについて

ややこしいのですが、ブランドによって表記が揺れます。

  • オードパルファン / オードパルファム / オー ド パルファン
  • パルファン / パルファム

これらは読み方の違いで、指しているものは同じです。EDP、EDTという略記もよく使われます。

ここからが本題:濃度が高い=長持ち、とは限らない

ここまでは、どのサイトにも書いてある話です。

問題は、この表を信じて「EDPなら長持ちするだろう」と買うと、期待を裏切られることがあるという点です。

実際に手元の香水を使い比べていて、はっきり感じたことがあります。

実例:SHIROのオードパルファンは、表記ほど長持ちしない

SHIROのサボンとホワイトリリーは、どちらもオードパルファンです。表の分類でいえば、5〜7時間は香るはずのカテゴリに入ります。

ところが実際に使ってみると、体感の持続時間は4〜5時間程度。これは同じく手元にあるマルジェラのレイジーサンデーモーニング(こちらはオードトワレ)とほぼ同じです。

理屈の上では、EDPのSHIROの方が明確に長持ちするはずです。でも実感としては、ほとんど差がありません。

これは決してSHIROが悪いという話ではありません。SHIROの香りは「軽やかで、そばにいる人にふわっと香る」設計になっていて、そもそも遠くまで強く香らせることを狙っていない。石けん系の親しみやすさを保つために、あえてそういうバランスになっているのだと思います。

つまり、濃度表記はあくまで分類上の目安であって、実際の香り立ちや持続力はブランドの設計思想によって大きく変わるということです。

一方で、ハイブランドのEDPは本当に濃い

逆のパターンもあります。

ハイブランドが出しているオードパルファンは、表記通り、あるいはそれ以上にしっかり濃いものが多いです。つけた瞬間の存在感も、時間が経ってからの残り方も、明確に違います。

だからこそ、こちらは強すぎることに注意が必要です。

実践編:EDPとEDTをどう使い分けるか

以上を踏まえて、実際の選び方に落とし込みます。

EDT(オードトワレ)が向いている場面

  • 大学、バイト先、職場などの日常
  • 人との距離が近い場所
  • 香水に慣れていない、最初の1本

軽やかで主張しすぎないので、「香水をつけている」と気づかれにくいのが最大の利点です。日常使いで失敗しにくいのは圧倒的にこちらです。

EDP(オードパルファン)が向いている場面

  • デート、食事、ここぞという勝負の日
  • 夜の場面
  • 香りをしっかり残したいとき

ただし、特にハイブランドのEDPを会社や学校でつけるのは要注意です。自分では適量のつもりでも、周囲には強く感じられている可能性があります。

香水で一番よくある失敗は「香りが悪い」ことではなく、**「その場に対して強すぎる」**ことです。良い香りでも、TPOを外すと一気にマイナスになります。

香りが強くなりすぎる原因は、濃度だけでなくつける場所と量にも大きく左右されます。ここは別記事で詳しく書いているので、あわせて読んでみてください。

結論:買う前に見るべきは「表記」ではなく「そのブランドの設計」

まとめます。

1. 分類は目安として知っておく価値がある EDP > EDT という濃度の序列自体は事実です。基礎知識としては押さえておいて損はありません。

2. ただし、実際の持続力はブランドによって全く違う SHIROのようにEDPでも軽めに設計されているものもあれば、ハイブランドのように表記以上にしっかり香るものもあります。表記だけで判断しないこと。

3. 選ぶ基準は「どこで使うか」 日常使いならEDTや軽めのEDP。勝負の日ならしっかりしたEDP。この軸で選ぶ方が、濃度表記を見比べるより確実に失敗しません。

4. 迷ったらミニサイズで試す どれだけ調べても、最終的な香り立ちは自分の肌でつけてみないと分かりません。10mL前後のミニサイズが用意されているブランドは多いので、まずそこから試すのが一番賢い買い方です。

香水は「濃い方が良い」ものではありません。その日の場面に対して、ちょうどいい強さのものを選べる人が、一番良い香りの人になれます。

※賦香率と持続時間の数値は一般的な目安であり、ブランドや香料の構成、肌質、季節によって実際の香り方は変わります。

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